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雪晴れの倶知安峠を行く C62 3





1995.11. 2  函館本線 小沢→倶知安



1995年11月2日、前日の関西空港発の新千歳空港行最終便で北海道入りした私は、倶知安駅前のビジネスホテルで一泊し、早朝にホテルを発ち雪晴れの倶知安峠にポジションを構えていた。
1988年4月29日に12年間の眠りから覚めたC62 3だったが、遂に運行終了の時を迎えようとしていた。

折りしも昨夜からの雪で路床を真っ白にそめた山線は、最高の舞台を演出してくれた。
気合を入れて3台体制。2台の67にはポジとモノクロ、35mmにはポジを入れ、モノクロと35mmは縦位置、67のポジは木々への着雪を多く入れようと横位置にセッティング、その時を静かに待った。

しかし定刻近くになっても遠くの汽笛が聞こえてこない。
そうこうするうちに、木々の雪がどんどん融け冬枯れ状態に。

ようやく1時間ほど(だったような気がする)遅れて遠くからドラフトが近づいてきた。
あとはファインダーに集中。カメラにより切る位置が異なるので、何度もシュミレーションを繰り返す。
やがてカーブを立ち上がったC62 3は天まで届くかのような爆煙を上げ視界から消えていった。

翌日3日、第二尻別川橋梁を見下ろす雑木林の中で、静かに最後の姿を見送った。

あれから13年あまり、苗穂工場で静かに余生を送るC62 3の姿を再び本線上で見ることはあるのだろうか。